鏡の国のソナタ

「ああぁぁぁ……」


目のやり場に困って、素奈多は顔をうつむける。

そんな乙女の恥じらいになどおかまいなしで、クランは笑いながら言った。

「いつまでも王子様夢見てんじゃねーって。男はオオカミよ? その、なんとかって先輩も、腹ん中じゃ、なに考えてんだか判ったもんじゃねーぜぇ……」


素奈多は、先輩を侮辱されてムッとして顔を上げた。