鏡の国のソナタ

カーテンの隙間から朝日が射し込んでいた。


ベッドで寝返りを打った素奈多は、寝言をつぶやきながらぎゅっと枕を抱きしめた。


……つもりだった。


「せんぱぁい……」

夢の中の王子様と、素敵なラブシーンを演じているのだ。

その、ねぼけた耳に、不機嫌な声が聞こえたような……気がした。