鏡の国のソナタ

クランの腕が、ピクッと震えた。

「ごめん。あたし、来ないほうがよかった?」

声が、かすれた。

「……んでだよ?」

クランは、吐き出すように言った。

「え?」

「なんで、そんな平気な顔してんだよ!」

クランは、素奈多の背後の壁を拳で殴りつけた。

ビクッと首をすくめて、素奈多はクランを仰ぎ見る。

彼の激情が理解できなかった。