鏡の国のソナタ

クランは、ここで幸せに暮らしてきたのだろう。

他人の目に怯えたりすることもなく、限定された寿命に苦しむこともなく。

だったら、それでいい。

五年は長いから……。

変わってしまうには充分すぎる時間だから……。

「えー、嘘っ! どうしてっ?」

廊下の向こうで金髪美女が驚きの声を上げていた。

素奈多は、壁にもたれたまま目を閉じた。

気がつくと、頬を涙が伝っていた。