鏡の国のソナタ

素奈多は、小さくため息をついた。

側の壁に背中をもたれる。

がんばった自分を誉めてやろうと思った。

ここまでたどりついた自分を讃えてやろうと思った。

誰かに誉めてもらおうとか、見返りを期待したとか、そんなんじゃがんばりきれなかった。

自分のために。

自分の決めたことのためにがんばったから、それでいい。

たとえ、最初に思い描いていた結果とは、少しばかり違っていたとしても。