鏡の国のソナタ

伝説?

いったいぜんたい、どんなとんでもない話ができあがっているのだろう?

「クラン……」

不安になって、思わずすがるようにミラーグラスをかけた男を見上げた。

男は、困ったように首を左右に振ると、金髪美女の肩を抱くようにして、廊下の向こうに彼女を引っ張っていった。

素奈多は、唖然としてその二人の仲の良さそうな様子を見つめた。

額をくっつけるようにして何事か話している二人を見て、すうっと胸の中に冷たい風が吹いた。