「すげぇ……。かっこいいじゃん」

素奈多は思った。

夢は、ただ見るだけじゃつまらない。

夢は、かなえるためにあるのだ。

目標が定まれば、迷わない。立ち止まらない。

素奈多は、クランを見上げてやわらかく微笑んだ。

「約束だよ。あたしが行くまで、ちゃんと生きててね」

クランはニッと口角を歪めて笑った。

「おぉ」

ふわりと身をかがめて、素奈多の唇に乾いたキスを送る。

クランは、振り返らず、ドアの外に出ていった。