鏡の国のソナタ

「もう、こんな無茶はしないようにね」

ふわりと九嵐の大きな手が素奈多の頭を撫でる。

――あ、れ……?

素奈多は、強烈な既視感に襲われて目を細めた。

先刻も、そしていつかも……。

あいつが同じように頭を撫でてくれた。

子供扱いされているみたいで少しくすぐったかったけど、不思議とその大きな手が落ち着かせてくれた……。


素奈多は、九嵐をまっすぐに見上げた。