無機質な白い壁と、ドアノブの表と裏を包帯でぐるぐる巻きにした独特のドアが印象的だった。

そんなふうに包帯を巻いたドアを、おばあちゃんのお見舞いにいった病院の個室で見たことがあった。


どうやら、病室のようだ。

布団の中から右手を出した。

包帯が巻かれている。

親指の又が痺れたように痛んだ。

唐突に、血まみれになって倒れたクランの姿が思い浮かんだ。

ぶわっと涙があふれ出た。