医学部付属病院の自己移植外科研究室のプレートがかかったドアの内側では、いつものように佐藤九嵐が顕微鏡に向かっていた。

ちょうど、助手の先生も出払っていて、研究室には九嵐を初め、学生が数名いるだけだった。


ドアが、乱暴にノックされた。

四年生の田中がドアを開けようと入り口に近づいたとき、ドアはひとりでにバンと開いて、一人の女の子が現れた。



思い詰めた顔をした、ミニスカートの女の子だった。