鏡の国のソナタ

クランは、浅くため息をついた。


「そっか……。おまえもかよ……」


そっとニセキジを抱き上げた。

体がこわばっていて、まるで猫の置物を抱いているようだった。

クランは、ニセキジをお気に入りのクッションに寝かせて、ミルクを片づけた。



予期していたとはいえ、さすがにニセキジの死は衝撃的だった。