両面焼きの目玉焼きを、カウンター越しにテーブルに出す。

「いっしょに食べよ」

素奈多が頬を染めてクランを見上げた。

クランは、笑顔でうなずいた。

牛乳を出すために冷蔵庫の扉を開けて、クランはふっと目を伏せた。

さっきの眩暈は、まだ続いている。

彼には、そんな症状に思い当たるフシがあった。

牛乳パックを掴み出しながら、パンにジャムを塗っている素奈多を肩越しに振り返った。