クランはリヴィングに戻り、ソファの上で毛布を掛けてひっくり返った。

みゃあ、と鳴いてニセキジがクランの腹の上によじ登ってきた。

クランは、ニセキジを抱いて丸くなった。


翌朝、妙にすがすがしく目覚めた素奈多は、大きく伸び上がって、ベッドサイドで揺れている風船と対面した。

赤い風船に、マジックで顔が描いてある。

大きな口を開けて、にこにこ笑っている顔だ。

クランが描いたのかな、と思って、素奈多はあったかい気持ちになった。