クランは、ベッドサイドで素奈多の手を握って、彼女が眠りにつくまで見守っていた。

枕元の手すりに、赤い風船のひもを縛りつける。

クランは、素奈多の無邪気な寝顔に視線を落とし、やわらかな笑みを浮かべた。

優しく毛布をかけてやり、その前髪の散った額にキスをする。



「おやすみ」