鏡の国のソナタ

「クラン……」

素奈多は、クランの胸に頭をあずけたまま、目を閉じた。

「あたし、クランのこと呼んでた……。助けてって」

クランは、素奈多の頭をよしよしと撫でる。

「また茶化したこと言いそうだから、黙ってるな……、俺」

素奈多はクスッと笑った。

「そうだね。ケンカしたくないよね、今は……」