鏡の国のソナタ

素奈多がその場に硬直しているので、男はケンケンしながら近寄ってきた。

ケンケン……。

さっき飛んできたサンダルが素奈多の足元に落ちていた。

いつだったか、靴のサイズがわからないので、とりあえずLサイズのサンダルを買って来たことがあった。

男は、素奈多の足元のサンダルをはき直した。

街灯の明かりに、その表情が照らし出される。


「ク……ラン……」