素奈多は、泣きながら駅に通じる裏通りを歩いていた。

このへんは、あまり治安がよくないので、いつもは通らない道だった。

「どこ行っちゃったのよ……」

落ちている空き缶を蹴飛ばした。

空き缶は、カラカラと転がって、ちょうどゴミステーションに収まった。

「なんで、あたしが泣かなきゃなんないのよ……」

すすり上げながら、己の身に起こった不条理に毒づいた。