鏡の国のソナタ

素奈多は、意外な展開にとまどって、花南とクランが盛り上がるのを茫然と見ていた。

「んじゃ、善は急げ。行こうぜ、花南」

クランは、背もたれを前にしてまたがっていた椅子から立ち上がり、ソファの花南を促した。

花南も、二つ返事で立ち上がる。

素奈多は立ち上がった二人をかわるがわる見比べた。

「ちょ、ちょっと、なによ、あたしを置いてく気?」