悪いことに、マンションのバスルームはトイレといっしょになったユニットバスである。

恋人関係にない男女が共同生活するには、非常に、不便な作りであると言わざるを得なかった。

明日は、バスルームにつける鍵を買ってこよう。

素奈多はそう誓って、こそこそとバスタブに体を沈めた。


一方のクランは、素奈多がバスルームに籠もったことなどあずかり知らない。

バラエティ番組が終わって、鼻歌を歌いながらバスルームの扉を開けた。