ジリリリリリリ ジリリリリリリ
ジリリリリリリ ジリリリリリリ
ジリリリリリリ ジリリリリリリ
ジリリリリrバンッ

…な、なげぇよ!
しかし、我ながら朝からこんな
甘々な夢を見るだなんて!!
そうかそうか、今日はイケメンにでも会える日なのか?!

…ないか笑
バカなこと考えてないで朝飯作るかぁ

そんなことを考えているとふわりと知っている香りがした。

おっとぉなんだ、リビングから味噌汁の匂いがするぞ?!
私一人暮らしのはずなのだがなぁ

『なにしてんのお前…』

「お、やっと起きたかぁおはよー(・∀・)」

今目の前でルンルンと朝飯の支度をしているのは中学からの友人、氷室令奈(ひむろれな)。
令奈は「視る」ことはできないが少しばかり「感じる」ことは出来る。

「今月給料払えなくってガス止められちゃったんだよね~
だからさ仕方なくここで飯作ってるの!」
などと一人でもりあがっているのだが…

『なんでお前がここにいるんだよっ?!え、玄関鍵閉まってたよね?!どうやって入って来たわけ?!』

「んーベランダから入ったー」

またかこいつは…
令奈は私が住んでるアパートの隣の部屋に住んでいる。
だからこういったことがよくあるのだ。
不法侵入という物を覚えろ…


「朝飯できたよー」
と令奈が私を呼ぶ声が聞こえる。もぅ不法侵入とかどうでもいいかも…と思ってしまう。

令奈がつくるご飯はすごく美味しくて私のオススメだ。
おいしいな、とのんびりと令奈が作ってくれたご飯を食べていると令奈がボソリとつぶやくように
「のんびりしてるところ悪いけどさ、もう学校15分くらいで始まるよ」
と言ってきた。
『はぁぁぁぁぁぁぁぁ?!ちょっと令奈ぁーっ!そういうことはもっと早く言ってよーっ!』
オマエものんびりしすぎなのでは?とツッコミたいのを抑えて、とにかく今は急ぐ。

早く食器を片付けようとしたらあいにくコップを足元に落としてしまう。
お気に入りのものではなかったから良かったけれどやはり悲しい。
あぁコップよ、ごめんね?もっと使って欲しかったよね?私ももっと使いたかったよ。
また生まれ変わって私のもとに来てね?そのときはもっとたくさん使ってあげるから!
そんなことを考えていると

「志月ー急がなくていいのー?」

令奈のこの一言でいっきに現実に戻される。
そうだった!私急いでるんだった!あわわわわ

落ち着け自分、こういう時こそ焦らずゆっくりとってな!
まぁそんなことしてる暇ないんだけどね!
あと15分でHRが始まるからさぁ

私は勢いよく玄関のドアを開ける。

『令奈走るぞぉぉぉ!いっそげぇぇぇぇぇ!』
「えっちょ、待てよーーっ!汗」



そして今日もまた、慌ただしい日が始まった。