天堂が見たものは膝に座って十六夜に抱き着いている、桜李だった



「かあちゃん~、大好き~」


挙げ句の果てには胸に顔を埋めてすりすりして天堂が何を言っても離れなかった



「ありがとうね。でも桜ちゃん、謝りなさい」


「えー、……ごめんなさい」



見兼ねた十六夜が謝るよう促す。桜李としては不本意ながらも十六夜に嫌われたくないので渋々ながらも謝る



「よくできました」


頭を撫でられて上機嫌な桜李はぎゅっと抱き着いて十六夜から顔を見られないようにして天堂を見た




へっ




「おいっ、十六夜!そいつ全然反省してねぇ!」


「…そうなの?」


「どーして?さっきごめんなさいしたのに…」



しゅんとした桜李が可哀想で十六夜はそうよね、と笑って抱き締め返した



「あなた、いつまでもそこに居ないで早く上がって下さいな」



「そーだよー、とうちゃんきたないよ」