「で、行く宛もなく理由もわからずでここに来たってわけか」 俺の話しを聞き終わり、椎はそう言った。 「まあ、な…」 「その、小野田んとこの息子なんて名前だっけ?」 「大翔」 ってか、もう忘れたのかよ。 「そうそう、大翔。俺、どっかで聞いた事あるんだよな…。小野田大翔」 椎は、ふとそう言った。