森の人

「僕は…」

そんな拓也から、地面に視線を移し、少し考え込む澤山。

そして、意を決したかのように、顔を勢いよく上げると、

「就職しようと思うんだ」

力強く言った。


「えっ?どこへ?」

予想外の澤山の言葉に驚く拓也。

もたれていた背中を起こし、体を前のめりにして澤山の顔を見た。

「地元の鉄道会社。電車の運転士になる夢を叶えたいんだ」

そう答える澤山のその目は、無邪気ながらも、しっかりと将来を見つめている。

そんな澤山の横顔は、誰よりも大人びていて、輝いていた。