森の人


「…」

「…」

体育祭も、文化祭も終わり、木枯らし吹き抜ける、茶色い景色の中庭。

昼休み、澤山と拓也は、無言のままベンチに座っている。

しかし、木枯らしが冷た過ぎて黙っている訳ではない。

それは、朝のホームルームの時だった。

「文化祭も終わり、二学期も残り僅か。三学期が始まるとすぐに三年生だ。そこで、各自、今後の進路を決めておくように」

担任の大西の言葉。

それが二人を、ブルーな気分にさせていた。

「進路か…」

ベンチの背もたれにもたれかけ、拓也が言った。

「拓也はどうするの?」

拓也の顔を覗き込む澤山。

「俺は進学」

背もたれにもたれたまま、空を見上げて、力の無い声で言う拓也。

「茂は?どこの大学行くの?」

そう澤山に問いかけ、そのまま空を、というよりも、どこか遠い所を見つめている。