森の人

「ご飯、作るよ」

拓也のその言葉と仕草に、充実感に満たされる澤山。
そう言って、台所に向かった。

「私も手伝う」

澤山の後を追って、台所に行く茜。

まるで自分の家のように台所に行き、躊躇なく冷蔵庫を開け、中の材料と相談しながら、献立を考えている。

「茂君、醤油取って」

「はい」

茜の指図で出来上がっていく料理。

慌ただしい台所をよそに、テレビを見ながらくつろぐ拓也。

『仲良し三人組』が結成されてから、何回、こんな光景が繰り返されただろう。
今ではすかっり、当たり前の光景になった。

「出来たよ〜」

渾身の作を、二人で運ぶ。

「おっ、美味そう」

それを見て拓也が感動する。

「頂きまーす」

三人が囲むそのテーブルは、たわいのない話が飛び交い、明るい笑い声が澤山の部屋の中を包んでいた。