「やぁ、目覚めたようだね」

驚きと感動が覚めやらぬ澤山の背後から、男の声がした。

「君が来るのを待ってたんだよ」

「…?」

振り返る澤山。

その声の主は、短髪・ガッシリ体型の爽やかな男。
そして、その男の後ろにギャル風の女と、長身・長髪の中性的な顔立ちの男がいた。

「ちょっと。遅いじゃない。何してたのよ」
「レディをこんな所に一人にして。猛獣にでも襲われたらどうする気だったのよ」

空洞の中から出てきたさっきのカノジョが、男にまくしたてるように言った。

「うるさいわね。あんたなんか、猛獣が襲いに来たって、猛獣の方が逃げてくわよ」

ギャル風の女が、男を庇うように、というよりも、カノジョに喧嘩を売るように罵る。