森の人

ピンポーン

翌朝、まだ九時前だというのに、もう太陽は高く昇り、きつい日差しが、容赦なく外を照らしている。

ピンポーン

締め切られたカーテンで薄暗い部屋。

まだ寝ていた澤山は、二度目の呼び鈴で目が覚めた。

「はい…」

眠い目を擦りながら、部屋着に、寝グセでボサボサ頭のまま、玄関に向かった。

ガチャッ

鍵を外し、戸を少し開け、その隙間から覗くように訪問者を見る。

「た、拓也君。茜さんも」

突然の二人の訪問に、一気に目が覚める澤山。

「昨日は何で黙って帰ったんだよ?心配するじゃないか」

そう言って、ドアノブを引っ張り、ドアを全開にする拓也。
内側のドアノブを握っていた澤山は、その勢いで外に飛び出してしまった。

「ご、ごめん」

今まで、爽やかで優しい拓也しか見たことのない澤山は、初めて見る拓也の剣幕に、驚いていた。

「と、とにかく、上がって」

ボサボサの頭を手ぐしで直しながら、二人を中に入れた。