君が好き





「あ!会長!」


中庭の時みたく遮る言葉。

またか?
と、振り返るも今度はなにもない。



「ん?」

拍子抜けして笑いながら首を傾げると
何故だかほんの少し加藤は泣きそうで。


泣きそうなままで言った。


「いい忘れたこと、あった

デート、してください、今日」



言葉を遮った理由は

泣きそうな理由は


いろんな理由がわからない。



わからないけど、一つだけわかる。





「こちらこそ、お願いします」




今この瞬間も、
俺は加藤が好きだよ。