そらがオレンジ色に染まった頃。 おばちゃんに名前を呼ばれ、 彼は遠くに、向こうの方へ行ってしまった。 その時、なぜだろう。 無性に思った。 やだ、行かないで、と。 そんな気持ちに応えたのは、 やっぱり、彼だった。 振り向いた彼は、 夕日に照らされてて。 キラキラ輝く、オレンジを持っていて。 どうしょうもない程に 胸がギュって、縮まった。