君が好き





「よーし!みんな俺についてこーい!」

「おい、なんでお前が先導きってんだよ」


笑いながらそんなことを言ってみれば、
突然、立ち止まったマモル。



…なんだ、あいつ。


普段はそんなことにいちいち反応するやつじゃないのに。







「おい、どうし、た」

声をかけて、
いや、声をかけようとしたけど、
結局途中で言葉を失った。





マフラーを巻いて、
おっきいコート着て、
寒そうに手袋をすり合わせている。



駅のロータリー、
よく待ち合わせに利用するそこに、
加藤がいた。