驚くと同時に振り返ると
マモルがとんでもない勢いでぶつかってきた。


「…んだよ、いってぇな」

「いやぁ!久しぶりだな!元気だったかよ、おい、俺は元気だったよ!つか、お前焼けたな!?あ、あれか、遊園地のバイト?つか勉強したのか?休み明けテスト、すげぇ進学に関わるらしいぞ!あ!それよりあれか!文化祭な!用意しなきゃなぁ、俺らのクラス何やるんだっけ?模擬店?またお前目当ての客がいっぱい…
「ちょ!マモル、ストップ。」

驚くべき勢いのマモルに面食らっていれば
続々と集まってきたクラスの人々。


おう!久しぶり!お前元気だった?
お前こそ元気かよ?
最近何してた?
勉強に決まってんだろ
それな、つかどうだった、模試
もう全然だよ、このままだと
どこ進学する?
内部?外部?


…なんということだ。

みんながみんなとんでもない勢いで話し出すのだ。



「まぁ、勉強漬けで誰とも喋ってなかったんだろうね」

「…なるほど。」


どこからともなく登場した菊池。

「おう!菊池!
お前どこ行くんだっけ?」

「内部だよ?
あれ、上本は?」

「おい!俺は無視かよ!俺にも聞けよ!」


…なんか。


「…こうしてられんのも、あと半年か。」


もう半年で卒業。
今まで感じたことなかったけど。

ほんの少し寂しくなってきた。




「何言ってんだよ、いきなり。」

「そうだよ。気持ち悪いっつうの」


「あはは、ごめんごめん。」