白鳴に箸を差し出して来る平助。
「ほら!」
「………。」
白鳴はそれを受け取る。
それが嬉しかったのか平助がニカッと笑う。
「いっただきまーす!!」
勢いよく平助がご飯をかけこむ。
「美味い!やっぱ、朝食う飯は美味いよな!……ほら!何ボーとしてんだよ!さっさと食えって……!」
「………いただきます。」
用意されたご飯に手をつける。
「……美味しい。」
「だろ!」
「!」
捕われの身だという白鳴に、こうして接してもらうと、なんだかホッとした気分になれる。
平助と他愛のない会話をしながら、白鳴は朝食をすませた。
「ふぁ~~!……さてと、稽古の準備でもするか…!」
大きく伸びをする平助。
そういえば、さっきから沖田の姿が見えない。何処かへ行ったのだろうか。
「……ん?どうかしたのか?」
「いえ…。」
平助から目線を逸らし、食器を片付ける白鳴。
「なんだよ、言えよ。聞きたいことがあるなら、答えられる範囲内なら答えてやるよ。一応お前は、間者ってわけじゃないしな。」
巻き込まれただけだから気にするな、と言わんばかりに、白鳴に笑いかけてくる平助。
こんな人達が武市達の敵だとは、とても信じられないかった。
「……なんで浪士組は坂本龍馬を捜してるの?」
「またそれか?ま、お前ならいいか。俺達浪士組はまだ拝命を持たない隊なんだ。だから、拝命をもらって活動するには、どうしても坂本龍馬を捕まえないといけないんだ。坂本だけじゃない、坂本について行く人間全員だ。」
それは、武市や中岡、以蔵……、だけでなく高杉や桂達も入っているだろう。
「……そう、その拝命っていうのは、浪士組にとって大切なものなの?」
「ああそうだ。それがないと俺達は、叶えられる夢も叶えられなくなっちまうからな。それにこれは上からの命令でもあるからな、断れないんだよ…。」
夢……。
浪士組に夢があるように、武市達にだって譲れないものがある。
それは白鳴とて同じこと。
だから、夢や大事なことが違えば、敵にならざるを得ないのだ。
「……そう。」
「ま、お前も叶えたい夢があるんだろうから、ここを出たらしっかりやれや!」
「!」
バンと背中を叩かれる。
平助は白鳴を励ましてくれているのだ。ここにいる間、暗い顔をしていたのだろう。

