「待って下さい!危険すぎます!!龍馬さんが行ってはなりません!!」
慌てて龍馬の前に立ち塞がり、その歩みを止めようとする中岡。
「退け中岡…!」
「どきません!!」
「ワシらがこうしている間に、あの娘は酷い目にあっとるかもしれんのだぞ!?それを、黙って見過ごせと言うか……!」
「姉さんに無事で居てほしいのは俺も一緒ッス!でもだからといって、龍馬さんを浪士組に行かせるわけにはいきません!!」
「退け!」
「どきません!!」
「……いい加減にしろ!!」
「!」
「!!」
武市の一喝が飛び、二人の口論が止まる。武市は立ち上がり、二人の元へとやって来る。
「今行った所で、返って状況を悪化させるだけだ。浪士組とて、女子にそう酷い扱いはしないだろう。……まあ、最も彼女が大人しくしていればの話しだが。」
「…………。」
「彼女が僕達のことを知っていることは、顔と名前ぐらいだ。それがすぐに分かれば放免されるはずだ。それを待つしかない…。」
顔と名前ぐらいなら、浪士組が白鳴を捕まえておく理由はなくなる。
だが、心配なのはそれだけではない……。
もし、白鳴が芹沢達に見つかりでもしたら、間違いなくその相手をさせられるだろう。幸いにしてか、局長近藤側の者と芹沢側の者達は仲が良くない。
下手なことにはならいとは思うが、それが不安である。
「………武市がそう言うなら、分かったぜよ。」
うなだれながらも龍馬が元の場所へと戻る。
後は、連絡を待つしかなかった。
朝になり、白鳴は畳みの上で寝ていた。
朝日が障子越しに部屋に差し込み、白鳴は目を覚ます。
何もないガランとした部屋が辺りに広がっていた。
「…………。」
ボンヤリとしていると、部屋の障子が開いた。
「お!なんだ 起きてんじゃん!」
「……藤堂さん。」
笑顔いっぱいの平助がお膳を持って部屋に入って来る。
「ほら、飯だ!食えよ!」
目の前にドンとお膳を置かれる。
ご飯に味噌汁に漬物と魚…。
どれも作り立てで、ほんのりと湯気が上がっていた。
「アッチチチ……!」
「?」
「アッチー…!」
湯気で火傷をしたのか、顔をしかめて手を振る平助。
いつの間にか、自分の分も持って来たようだ。
「……何見てんだよ。ほら、食おうぜ!」

