「………はぁ…。」
色々と考えてしまい、ため息しか出てこない。
すると、何やら辺りが騒がしくなり始める。
「浪士組や……!」
「早う、こっちへ来い!」
ヒソヒソと話しながら、道行く人々が避けるようにして、通り道を開ける。
何事かと思い、身体を覗かせて見る。
すると、浅葱色の羽織りを着た者達が、こちらへ向かって歩いて来ていた。
「………。」
そういえば前に、島原にいた永倉も浪士組だと言っていた。だが、その浪士組を以蔵達は敵だと言って警戒している。
浪士組とはいったい何者なのだろうか……?
白鳴はそんなことを考えながら、その姿を見ていた。
すると、一人の隊士が白鳴の前で立ち止まる。
「………?」
いかつい顔をしていて、じっと白鳴を睨んでくる。
いったいなんなのだろうか……?
「お前!」
「!」
いきなり男が白鳴の胸倉を掴み、身体を引き寄せる。
「見かけない顔だな?いったい何者だ!?」
「腰に刀……?!まさか、密偵ではあるまいな!」
「えっ…!」
とんだ言い掛かりをつけられる白鳴。
周りをよく見て見れば、いつの間にか白鳴は浅葱色の羽織りを着ている者達に囲まれていた。
「どこの藩の者だ!!」
「答えられないのなら、密偵としてこの場で切り捨てる!」
「!?」
隊士の一人が刀を抜き放ち、太陽の光りで刃がキラリと光る。
「やあっーーー!!」
「!」
思わず目をつむってしまう。
ーーキーン!
刀が弾かれた音がする。
目を開けて見ると、周りにいる隊士とは一回り小さい男の子が、隊士の刀を弾いていた。
「いきなり切り掛かるんじゃねぇ!!いくら間者でも、これじゃあ話しも出来ねぇだろうが!!」
隊士達を一喝すると、男の子は刀を納め、尻餅をついている白鳴に近寄る。
「ほら、お前大丈夫か?」
他の隊士とは違い、にこりと笑いながら手を差し延べてくる。
白鳴はその手を取り立ち上がると、着物についた土を振り払う。
「悪かったな、いきなり切り掛かったりして。」
「いえ、大丈夫です。」
「組長!そいつ、刀を持っています!密偵かもしれません!」
「しかもこの辺りでは見かけない顔だ!」
後ろで不満をぶつける隊士達。どうやら彼らは完全に白鳴のことを密偵と思い込んでいるようだ。

