「言われなくても、優華を幸せにするし」


そう言って隼人は、あたしを抱き締めた。


「ばか」

「ん?」

「何でもない」


そう言ってあたしは、隼人の背中に手を回した。


「お二人さん。俺のこと、忘れてないか?」


翔太にそう言われ、あたし達は目をあわせた。


そして


「ごめんごめん」

「翔太の存在、忘れてた。ごめんね?」


あたし達が冗談でそう言うと、翔太はどこかに走っていってしまった。



「2人っきりだな」

「だね」


何も考えてないように見せてるけど、実際はドキドキしっぱなし。


「優華。上向いて」


ドキドキしてるのがバレないように、慎重に顔をあげた。


その瞬間


チュッ


あたしの口に、柔らかいものがあたった。


一瞬のことだったからわからなかったけど、時間が経つにつれてキスしたことに気付いた。