今は部活帰り。


隼人の家はお隣さんだから、毎日一緒に登下校している。


「あたしね。好きな人、いるんだ」


気が付けば、勝手に口が動いていた。


隼人の方を見てみると、驚いた顔をしてすぐに真顔に戻った。


「誰?俺も教えるからさ」


隼人も、好きな人いるの?


「………」


誰なんだろ?すごく気になる。


「だったらさ。お互い名前を、一文字ずつ教えていくのは?」

「それなら、いい」


とは言ったものの…


やっぱり言いたくないよ。


恥ずかしいし、何より隼人の好きな人があたしじゃなかったら、悲しいじゃん。