シトシトと雨が降り続ける中で、いつもと違う光景が私の目の前に広がった。

いつもと同じ七海の姿。

それが一瞬で、固まりに変わる。

水溜まりに流れる赤い液体は、まだ生温かくて気持ち悪い・・・。

目の前が真っ暗になった私は、その場に倒れるようにしゃがみ込んだ。

人の話し声はいつしか叫びに変わり、地面に倒れ込む固まりからは止まる事なく血液が流れ出した。

助けようにも、自分の事でいっぱいいっぱいで・・・。

私はガタガタ震えながら、ただただそれを見ている事しか出来なかった・・・。

冷たい地面に倒れるそれに、手を差し延べる事が。

凄く、怖かったんだ―・・・。