竜王様のお約束

「コクリュウ・・・そなた、キリュウに指示されて、ヤヨイをここへ連れて来たのだな?」


「はい。」


「どんな理由か?」


「はい。
ヤヨイ様は、コウリュウ様の寵姫だから、天界へ連れて来いと言われたのですが。
人質にして、コウリュウ様から真実を聞き出すのだと。」


「だからコクリュウ。俺の真実って、何だ?」


「ハクリュウ王陛下が生きていらっしゃる今となっては、噂はただの噂に過ぎなかったと言うことです。」


「・・・?
コクリュウ、それじゃ答えになっていないぞ。」


「コウリュウ様。
怒らないで下さいね。」


コクリュウの勿体ぶった台詞に、コウリュウは頷いて身を乗り出し、ハクリュウは深くソファーに座り直した。


「実は・・・。
コウリュウ様は、自分が竜王にならんがために、ハクリュウ王陛下を暗殺して能力を奪い・・・コハク様と同じ瞳を持つヤヨイ様を奪って、寵姫に据えた。
・・・という、噂が流れているらしいのです。」


「な!な!な!何だと!!」


カッとしたコウリュウは立ち上がり、つい叫んでしまった。