そんなコクリュウに苛立って、ハクリュウは尚も激を飛ばす。


「コクリュウ!
ヤヨイの居場所を教えよ!!」


「あっ･･･はい。
ヤヨイ様･･･ですね･･･。」


軽く目をこすると、コクリュウは気持ちを切り替えた。


「ヤヨイ様は･･･。
あっ、そうです。
私の屋敷にお連れ致しました。」


「そなたの屋敷に居るのか?
すぐに我を案内致せ!」


「しかし･･･陛下･･･。
しばしお待ちを。」


「ほぅ･･･。
貴様ごときが、我に意見するか。
誘拐犯が、いい度胸だ。」


ハクリュウの澄んだ切れ長の瞳が、妖しく細まる。


「誘拐犯とのお言葉は、甘んじて受け入れます。
仕置きも覚悟致します。
ですが先にこの状況を、教えては頂けないでしょうか。
申し訳ございません。
私は今、嬉しさと同時に、正直困惑しております。
陛下は崩御あそばしたのでは、なかったのですか？」


持ち前の真面目さで、コクリュウは深々と頭を下げてから、まじまじとハクリュウを見つめた。