ヤヨイは思い出し笑いをしながら口を開いた。


「そうそうコウリュウさんたらね、私たちの屋敷に何度相談に来たことか。
イオリさんを妻にしたいけど、どうすればいいかって・・・」


「こらヤヨイ!
余計なことを言わなくていい!」


コウリュウは手を伸ばし、ヤヨイの口を塞ごうとする。


「コウリュウ!
我のヤヨイに触れるでない!」


ハクリュウも手を伸ばし、ヤヨイを自分の方へと引き寄せる。そんなやり取りを見ていたリョクが、昔の光景を思い出したのか、懐かしそうに呟いた。


「父様ったら相変わらずなんだね。
私はまだ小さかったけど、父様が母様をすごく大切にしていたことは、よーく覚えてるよ。
母様を守るってお約束したからねって、父様は教えてくれたもん。
だから、いっつも父様は母様の側に居たんだよね。
そしてあの日、母様を追ってお空に行ったの。」


「・・・リョク様。
申し訳ございません。
それは私が・・・。」


申し訳なさそうにコクリュウが頭を下げた。