「コクリュウ!」


リョクが飛び込んだ部屋ではハクリュウとコウリュウそしてコクリュウが和やかに談笑を交わす姿があった。そこへリョクの元気な声が割って入ったことで、コクリュウは背にしていた扉の方を振り返ったのだが。


「おやリョク様、お目覚め・・・。」


言葉を飲み込んでしまうほど驚くことになる。


「リョク様、そのお姿はいったい・・・?」


「ほうリョク、さすが我が娘よ。」


「さっきの儀式が、功を奏したんじゃないか?」


ソファーに座る3人は、リョクを見るや否や口々に個性的な感想を述べた。


少し離れた場所にイオリも控えていたのだが、おずおずと遠慮がちにリョクへと歩み寄り、目を細めて軽く腕に触れた。


「大変お美しくあられます。
なんと・・・竜王妃たるに相応しいお姿ですこと。
ねぇ、ヤヨイ様。」


イオリはリョクの後ろに居るヤヨイに声をかけた。


「うん、そうね。
でも私は・・・何だかちょっぴり寂しく思っちゃうな。」


母としても気持ちが、ヤヨイにそう思わせたのだろう。


「???
何のこと?」


リョクは、自分に向けられる言葉の意味がさっぱり理解できずにいるようだ。しかし。