低い低い重低音が地響きを起こして鳴り響いた。


真っ直ぐに黒龍へと向かって進む白龍は、スピードを緩めることなくそのまま体当たりを決め込んだ。


その衝撃に辺りの空気は振動し、衝撃波が飛び散る。


『貴様ぁ!
我の娘に何をしたぁ!』


『ハクリュウ様・・・』


『何ゆえにリョクが龍の姿になっておる!』


白龍の口元には、パチパチと稲妻が発生し始めている。


『面目次第もございません。
申し開きする言葉も見つかりません。』


ヨロヨロと体制を立て直しながら、黒龍は力なくいなないた。
そんな黒龍に向けて、白龍はカッと口を開き稲妻を浴びせる。


「グォォォォォ・・・」


低い呻き声が響き、黒龍は苦しそうにのたうち回っている。


二匹の様子を伺っていた緑龍が、居たたまれずにゆっくりと黒龍に近寄って行った。