リョクの叫びと共に、コクリュウは空気の塊を全身に感じた。
そして次の瞬間コクリュウの体は宙を舞い、壁にぶち当たり、吹き飛んだ体は床へと落ちる。
背中を強打した衝撃で、コクリュウは一瞬意識を飛ばした。


「な・・・なによ!
こんな事して私を諦めさせようだなんて!」


震える声で叫ぶリョクの小さな体からは、緑色の光が溢れている。


「リョク様・・・その光はまさか・・・。
・・・?
それに、私の心を読んだのですか?」


「勝手に聞こえてきたんだよ!
もう信じらんな〜い!!」


一際大きな声で叫んだリョクは、体の輪郭が徐々にぼやけて光が増していった。


「リョク様、落ち着て下さい!」


「こうなったら私、意地でもコクリュウのお嫁さんになってやる!」


半身を起こして床の上に座るリョクは、力いっぱい叫んだ。
リョクの怒りのパワーが増大すると、それに比例して緑色の光も増大していく。


「リョクさまぁ!
落ち着いて下さい!
リョク様にもしもの事があったらハクリュウ様に顔向けできません!
結婚でもなんでもしますから!
とにかく落ち着いて下さい!!!」


コクリュウの虚しい説得はリョクには届いていないようで、ついにその時はやって来てしまった。