「リョク・・・。」


肩を落とし、力なく呟くハクリュウの背中に手を当てて、ヤヨイは優しく見上げる。


「ハクリュウ、一旦戻ろう。
きっとあの子達なりに、答えを出してくるって。
ハクリュウが竜王でいられない事も、コウリュウさんにお願いできない事も、覆せないことなんでしょう?
じゃあ・・・どうすればいい?
私たちはコクリュウさんの答えを、待つしかないと思うよ。」


「・・・。」


返す言葉が見つからないハクリュウ。


ヤヨイはちらりと振り返り、意味ありげな瞳でコウリュウを見つめた。先ほどコクリュウに語っていたコウリュウの言葉を、ヤヨイは忘れてはいなかったのだ。


「そういうことで、私たちはこれで部屋に戻りますね。
コウリュウさん・・・。
ムフフ・・・しっかりね・・・。」


「・・・うるさい・・・。」


ウインクまでして見せてヤヨイはコウリュウを励ましたのに、コウリュウときたら照れて短く毒づくと、そっぽを向いてしまった。


そんなコウリュウの態度にヤヨイは軽く首をすくめると、打ちひしがれているハクリュウの背中を押す。そして無表情で立っているイオリに向けて、満面の笑みでにっこり微笑んだのだった。