竜王様のお約束

「もう！父様！
みっともない真似、やめてよ！」


リョクはそう叫ぶと、コクリュウに歩み寄ろうとするハクリュウの腰にしがみついた。


「こらリョク。
みっともないとは何だ。
こいつはお前をどうやって丸め込んだ？
コクリュウに何を言われたんだ？」


ハクリュウの言葉を聞いて、リョクはふるふると頭を振った。


「父様はさっきから何を言っているの？
私は、丸め込まれてなんかない。
渋るコクリュウを説得して、ここへ連れてきてもらったのは私。
コクリュウは仕方なく私を連れてきてくれただけだよ。
コクリュウは何も悪くない。
コクリュウを責めないでよ！
でも･･･ここへ来て、父様に会って、よく分かった。
私が天界へ来ることを、父様が反対してるってコクリュウは教えてくれたけど、本当だったんだね。
こんなにも歓迎されてなかったなんて、思わなかった！」


リョクの毅然とした態度に、部屋の中はしんと静まり返った。