竜王様のお約束



「うるさい。
そうだコクリュウ、そもそもはそなたのせいぞ。
そなたがキリュウなどの口車に乗って、ヤヨイを天界に連れてこなければ、このような事態になってはいなかったのだ!
本当なら今も、人間界で仲睦まじく暮らしておったに・・・。」


「ハクリュウ!止めて!
そんな恨み言は、ハクリュウらしくないよ。
これからどうするかを考えるべきよ。
私はここに居る。
リョクもここに居る。
これが今の現実なの。
過ぎてしまったことを言ったって、始まらないでしょう?」


リョクの後から部屋に入ってきたヤヨイが、ハクリュウをぴしゃりとたしなめると、その場にいた全員が息を飲んだ。


こんな風にハクリュウに意見するなんて、なんという身の程知らずな、と、思ったのも束の間。


「ヤヨイ・・・。
ごめん、その通りだ。
俺としたことが、我を忘れた。」


素直に謝るハクリュウに、一同ホッと胸を撫で下ろし、さすがハクリュウの妃と言わんばかりの表情で顔を見合わせた。