「先生、嬉しい。めちゃ、嬉しい。」




山下先生って、各学年に、目をつけてる子いるらしいよ。


あかねの頭の中でぐるぐると回る言葉。



浮かんでは消え、浮かんでは消える。



その噂をきいてから、あかねはどうしょうもなく、山下を意識するようになっていた。





あかねの大きな瞳から、自然に大粒の涙が溢れだし、長い睫毛をぬらしていく。




ほろり
ほろりと
頬を伝わり
落ちていく。