空から舞い降りた天使

「ここに二人で、居たこと、アタシ、忘れないよ。」



「あかん、亜子どうしてん?俺まで、感傷的になるで。」



「なんだかね、しみじみ、しちゃって、ごめんね。」



「そうや、すっかり忘れるとこやったわ。」




隼人は制服の釦を手でちぎる。



「昔から、第2ボタンをあげるらしいやん、和樹にきいてんけど、これ、亜子に全部あげる。」




隼人の手のひらには、3個のボタンが置いてあった。



「ぷぅっ、隼人、多いよ、ありがとう。」



「こんな時は普通、笑わないの、亜子ちゃん。」