空から舞い降りた天使

生徒がぞくぞくと校舎に向かって歩いていくなか、隼人は一人で校門の前にたっている。


「おまえ、寒いのに、なにしてんの?」



和樹と一美が声をかけてくる。



「和樹〜さむっ。」



「隼人、遅れるで。
もしかして、隼人く〜ん、彼女まってるとか?」



「そう、そう、彼女。」



「隼人の彼女、みてみた〜い。俺もまっとこうかな。」



「彼女は冗談やで。
和樹おまえには、みせられへん。」



「えっ〜隼人くん、あなたの愛しい彼女にあわせてぇ〜」



「…ったく、和樹ったら。
隼人ごめんね。和樹を連れていくからね。」




一美が、和樹の手を引き、バタバタと歩きだす。




「隼人く〜ん、好きよ。好き好き、隼人く〜ん。」



「うるせぃ〜。」




あいつといる一美は、ほんまにたいへんやな。



くすくすと一人でそう思いながら、自然に笑顔になる隼人。










そして、やっと、ゆみの姿をみつけた。