隼人は息を切らしながら、教室にかけこんだ。



ガラガラ〜
扉が勢い良くひらく。



「ハアッ、ハアッ、走った。」



「隼人、机の上に大事な忘れ物。」



「全く、きづかへん。
ありがとう。」




亜子は隼人が上着をきてないことに気付き



「隼人、寒いのに制服は着てないの?」



あっ、ゆみに貸したまま。


「う…うん、和樹にあずけてきた。」



「寒くないの…?」



「今は暑いぐらいやで。
大丈夫。」



「はい、財布、気をつけなくちゃあね。」



「亜子、最近なかなか二人になられへんなぁ〜
いつも放課後は教室に誰かおるし。」



亜子はにこっと笑いながら


「うん、そうだね。仕方ないね。」



「亜子ちゃん〜二人っきりになろうよぉ〜。」



「隼人、だぁ〜め。」